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丸鶏の状態は店それぞれ
丸鶏の状態は、各お店で様々です。実際に私が今まで調理してきた丸鶏は毎回「このパターンか、、、」という感想をそれぞれ抱かせてくれます。
・頭だけ落として長い首が残っているもの
・毛をむしった後のチクチクが残っているもの(手羽周り、お尻周りが多い)
・中にブツ(内臓)が残っているもの
などなど
一部イラストですがキャンプで丸鶏に挑戦したい方に、持って行ったほうがいいものと合わせてご紹介できればと思います。
※ちなみに、丸鶏は冷凍で販売しているところ(業務スーパーや大型スーパー)もありますが、チルドのほうが扱いやすいので、可能ならば精肉部門に頼んでみましょう。
丸鶏の取り扱いは直接問い合わせて聞いています
時間がかかるので、1週間前くらいには問合せ及び予約をしておきたいです。
店内でさばいているところ(販売部位が豊富、冷凍ばかりではない)だと確率が高いです。
電話でスーパーに「鳥の中抜き(丸鶏)が欲しいのですが、精肉さんでお取り扱いございますか?」と尋ねると、大概のところでは精肉部門につないでくれます。
そこでさばく前の中抜き(丸鶏)を販売してくれるようであれば、希望のサイズを伝え、価格を聞いておくとよいと思います。
ダッチオーブンと鶏の大きさ
鶏も生き物なので、ぴったりのサイズが見つかるかはわかりません。お店の人に託すのみです。
でも毎回ちょうどいいサイズを用意してくれているので、大きすぎなければ何とかなると思っています(笑)。
実際、ダッチオーブンの許容サイズより大きければ、上がふたにあたって焦げるとか閉まらないなどの問題が発生しますが、そうでなければ多少のサイズ違いは問題ありません。
なので、ダッチオーブンのサイズから大体の鶏のサイズを調べておきましょう。
我が家の場合はSOTOのステンレスダッチオーブン10インチで、鶏が800g~1㎏、1.2㎏だと天井がかなりギリギリの状態です(金網を敷いた状態)。
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鶏に手を付けていきます
では購入してきた状態から始まります。
用意するもの:ニンニク、好みのミックスソルト的スパイス、ローズマリー(枝だとベター)、中に入れたい野菜か飯物
器具類:タコ糸、キッチンバサミ(or小型包丁)、調理用毛抜き、分厚いアルミホイル(幅30㎝以上)、キッチンペーパー、ラップ、素手作業が嫌ならポリ手袋、竹串、爪楊枝
①丸鶏をパックから外し、水で洗う。
外側だけでなく、中に内臓や血のたまりが残っている場合が多いので、それもきれいに掻き出して内側も洗う。 指で簡単に取れます。
背骨周りには血のたまりがよくあります。
②余分な脂を取る
お尻、しっぽ周りは白い脂が付いています。ボンジリです。
皮を少し持ち上げてやや内側まで、多すぎる脂を除きます。キッチンバサミか小型包丁を使うとやりやすいです。
お腹に具を詰める場合、特にご飯ものの場合はお尻から漏れてきちゃうので、串などで止めますが、脂が多いとやりにくいので頑張ってください。
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③キッチンペーパーで水分をふき取る
中も外も水分が残らないよう、ペーパーでふき取ります。
④残っている毛(毛根?)を取る。
体表の水分がなくなると、手羽の付け根や腿の後ろあたりに隠れてる、除き損ねた毛が目立つようになります。これを調理用の毛抜きで摘み取ります。これが少ないとラッキーです。
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⑤スパイス類を塗り込む。
にんにくは欠片だと扱いやすいです。先に内側をすると手がスパイスまみれになりません。内側は骨もあるので、しっかり目に刷り込みましょう。スパイスはホリニシやマジックソルトなど、お好みのもので良いですがにんにくは単体でしっかり刷り込んだほうが美味しいです。
まず、にんにくのかけらで内側にしっかりこすりつけ、手にスパイスを出してさらに刷り込んでいく感じです。想像より多めの量を刷り込んでください。
⑥お腹に詰め物をする場合
お米をお腹の中で炊くのはほぼ不可能だと思います。炊飯時の水分が中に保てない、炊飯前後でかさが増えるため、量の調整がむつかしい、温度調整ができないなど、なかなかハードルが高いと思います。
無難にとても美味しかったのは冷凍のピラフ・チャーハン類です。これならキャンプ場で調理するにしても、家で下ごしらえして持っていくにも、持ち運びしやすく加熱のみで食べられるのでとても便利でした。なかでもエビピラフは、エビのうまみと鶏のダシが相まってとても美味しかったです。
ただ、ごはんを入れる難点として解体後食べにくいことが挙げられます。解体すると、骨や肉がたくさん出ます(当然)。そのなかにご飯が散乱すると思ってください。とても美味しいですが、スプーンで一生懸命掬うことになります。
ジャガイモやお野菜を入れる際は、大きさに注意してください。大きいと隙間ばかりで量が入らないし、小さいと食べ応えが無いし、です。ジャガイモは鶏の中で柔らかくなるのに相当な時間を要するので、玉ねぎやパプリカだとベターです。鶏のダシを吸っておいしく甘くなります。
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ただ、お野菜は最後鶏の周りにも並べるのでその分配は気を付けてください。
イモは外、玉ねぎ・パプリカは両方、人参も入れたいとなると、思っているより入らないということが多いです。でも一緒に調理された野菜はどれもとても美味しくなるので、上のふたに接して焦げないよう、たくさん入れるとよいと思います。特に玉ねぎはとても甘くなっておいしいのですが、溶けてしまうので大きくカットするか小ぶりなものを丸ごとでもよいです。
⑦外側にスパイスを刷り込む
内側に行ったように、外側にもしっかりニンニクとスパイスを刷り込んでいきます。切り口がなく、表面と内側からしか味付けができないので、想像の2倍以上は刷り込んでください。ローズマリーを加えるととてもいい香りがするのと、ビジュアルが一段とアップします。
ここまで来るとほとんど終わりです。
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手羽を折り曲げた後背中側から見るとこんな感じ。
⑧穴を綴じる
具を入れない場合は首もお尻も綴じる必要はありません。入れた場合は竹串か爪楊枝で穴を閉じます。野菜ならば綴じなくてもご飯ほど漏れてはきませんが、そのあとの取り扱いを考えても綴じたほうが断然扱いやすいので綴じましょう。裁縫のように竹串もしくは爪楊枝でいつも3~4本使って皮を伸ばしながら綴じます。
⑨成形
やってもやらなくてもいいのですが、やったほうがきれいに見えます。
通常胸(腹)を上に置くと、手羽先は上を向いています。手羽元より天井側に来ています。その手羽先を少し広げて、グイっと裏側(手羽元の後ろ側)に持っていきます。人間的に言うと後ろ手状態です。これだけで手羽が収まり、きれいに見えます。
後は余力とダッチオーブンの高さがあれば、足の先のほうをタコ糸でまとめるときれいに収まり完璧です。
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⑩寝かせる
スパイスをなじませるのと、お肉を常温に戻すために30分程度寝かせます。
ダッチオーブンに入れます
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我が家はユニフレームのステンレス製ダッチオーブンを使用しています。焦げ付きが嫌なのでロゴスの分厚いアルミで下と側面を覆って使用していますが、無くてもかまいません。
スープを入れる場合は問題ありませんが、通常の場合では付属の網をセットした上に鶏を置いています。まだ改善の余地ありですが、今のところ「ダッチオーブン、アルミ、網、鶏の順」これでやっています。
焚火では下からの火が来るので、網を挟まないと鶏の下の部分が焦げてしまうのです。
バターとチキンブイヨンと少しの水を入れて半蒸し煮のようにする場合は、網は要りません。
鶏の周りに野菜を置いていきます。壁と触れる面は結構な焼きめが付くと思っていてください。
上にも炭をたくさん置くので、ふたに鶏肉が触れそうな場合は、ふたに隙間ができないようにアルミを挟みます、でないと胸肉が焦げます。ふたは隙間がないようにしてください。中の蒸気や圧力が逃げます。
加熱開始
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よく、ダッチオーブン丸鶏の火加減は、下4上6といわれます。火が育ち切っていない状態で上にのせると、火がしょぼちんになっていくので難しいのですが頑張ってください。写真では火が全然足りてません。
1時間ほどかかるので、ほかのことをする前にとりあえず丸鶏と炭の準備をやってしまうとよいでしょう。ほかの料理はその後ゆっくりしてください。
火の通り具合チェック
いい香りがして、ジュウジュウといい音がして、どうしても中を見たくなったら日の通りをチェックします。
炭をどけて重たいふたを開け、アルミをよけて竹串を鶏の中心やや深めに刺します。金串でもOKです。
10~20秒ほど刺したままにしたら、それを抜き、先端を唇に当てます。
その先端が温かければOKですが、常温、冷たい、もしくは中のイモが明らかに硬い場合は加熱の継続です。ふたを戻してもうしばらく待ちましょう。
一部が温かくても、腿のあたりや深さを変えた中心部など、2~3か所チェックして生焼けの無いよう加熱してください。
完成!
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火が十分に通ったら、ダッチオーブンから取り出します。鶏は非常に崩れやすいので、大きめの板(まな板や小さなテーブル、もしくはトレイ)を皿代わりにしてアルミホイルごと取り出します。
我が家ではロゴスのミニテーブル(折り畳めて、周りに淵が付いているやつ)を使っています。
スープ入りの場合はできません。溢れます。
解体
広いところに出したら、キッチンバサミや包丁で切り分けていきます。モモ肉は皆さんが思い浮かべるようなフォルムで外れるので、骨の付け根の部分をハサミで切ってしまえば楽に取れます。
胸肉は中心線に沿って包丁か鋏を入れ、肋骨に沿って外します。
胸肉の内側にささみがあるので、気づけばラッキーです。
手羽もモモ肉同様、思い浮かべるままに外れるので胴体との関節部分にはさみを入れます。
大体このような感じであとは好みの部位を取り、野菜やご飯を取りお腹いっぱい食べるのみです。
ダッチオーブンにはチキンブイヨンが濃ゆく残っているので、残った野菜や肉と合わせて翌朝にスープにするとおいしいです。
鶏にカレー粉を刷り込み、タンドリー風にチャレンジしたこともありますが、切り身と違い表面しか浸透しないのであまり香りはしませんでした。中にカレーピラフを入れるとまだましだったかもしれません。
我が家のダッチオーブン丸鶏はこのような感じです。
スープ有バージョンも挑戦したいと思っていますので、その時はまた出来具合を上げられればと思います。
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